厚生労働省は食事摂取基準として13種類のミネラル(カルシウム、鉄、リン、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、銅、ヨウ素、マンガン、セレン、亜鉛、クロム、モリブデン )を挙げています。
その中から、ミネラルウォーターに含まれている、ナトリウム(Na)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、カリウム(K))と、ミネラルウォーターに良く含まれている成分、サルフェート(SO42-)、重炭酸塩(HCO3-)について、各種ブランド(銘柄)ごとに含有量を比較してみました。成人1日の摂取量基準(※1)も参考にしてください。 各成分のごとに一番多い数値を太字で記してあります。※各栄養素の含有量は情報元によって多少異なる数値を表示している場合がありますので、参考値としてご覧ください。
ブランド | ▼硬度 | ナトリウム | カルシウム | マグネシウム | カリウム | サルフェート | 重炭酸塩 | Ph値 | 酸/アルカリ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
クールマイヨール |
1612.0 | 0.08 | 53 | 7 | 0.2 | 148.0 | 17.6 | 7.4 | 弱アルカリ性 |
ハイドロキシダーゼ |
1505.75 | 184.2 | 20.1 | 24.0 | 18.2 | 1.1 | 620 | 6.8 | 弱酸性 |
コントレックス |
1468.0 | 0.94 | 46.8 | 7.48 | 0.28 | 112.1 | 37.2 | 7.4 | 弱アルカリ性 |
ゲロルシュタイナー |
1302.0 | 11.8 | 34.8 | 10.8 | 1.1 | 3.8 | 181.6 | 6.4 | 弱酸性 |
サンペレグリノ |
674.0 | 3.36 | 17.9 | 5.25 | 0.25 | 44.5 | 23.9 | 7.8 | 弱アルカリ性 |
ウリベート |
542.0 | 7.4 | 17.1 | 2.8 | - | 10.4 | 57.4 | 5.8 | 弱酸性 |
ペリエ |
400.5 | 1.18 | 15.5 | 0.68 | 0.13 | 4.6 | 39.0 | 6 | 弱酸性 |
アズーラ |
324.0 | 0.1 | 7.84 | 3.2 | 0.1 | 16.7 | 22.7 | 7.65 | 弱アルカリ性 |
ヴィッテル |
315.0 | 0.73 | 9.1 | 1.99 | - | 10.5 | 25.8 | 7.3 | 弱アルカリ性 |
エビアン |
304.0 | 0.7 | 8 | 2.6 | 0.1 | 1.3 | 35.7 | 7.2 | 弱アルカリ性 |
サンベネデット |
235.0 | 0.8 | 4.6 | 3 | 0.11 | 0.5 | 17.2 | 7.68 | 弱アルカリ性 |
ロケッタ ブリオブルー |
157.0 | 0.47 | 5.7 | 0.35 | 0.05 | 0.8 | 17.8 | 7.46 | 弱アルカリ性 |
サンブノア |
132.0 | 0.63 | 4.61 | 0.43 | 0.35 | 0.9 | 17.2 | 7.65 | 弱アルカリ性 |
ヴァルス |
111.0 | 38.1 | 2.22 | 1.35 | 3.38 | 4.5 | 110.0 | 6.4 | 弱酸性 |
ヴィッチーカタラン |
82.0 | 109.7 | 2.88 | 0.25 | 5.07 | 4.96 | 208.1 | 6.26 | 弱酸性 |
ボルビック |
60.0 | 1.16 | 1.15 | 0.8 | 0.62 | 0.7 | 25.8 | 7.0 – 7.8 | 弱アルカリ性 |
森の水だより |
40.7 | 0.88 | 0.75 | 0.53 | 0.37 | - | - | 7.1 | 弱アルカリ性 |
クリスタルガイザー |
38.0 | 1.13 | 0.64 | 0.54 | 0.18 | - | - | 7.0 – 7.8 | 弱アルカリ性 |
クリスタルガイザースパークリング |
38.0 | 1.13 | 0.64 | 0.54 | 0.18 | - | - | 7.0 – 7.8 | 弱アルカリ性 |
サントリー天然水 |
20.0 | 0.4 – 1.0 | 0.2 – 0.7 | 0.1 – 0.3 | 0.2 – 0.6 | - | - | 採水地による | 採水地による |
41°S ニュージーランド ピュア ミネラルウォーター |
10.2 | 0.82 | 0.23 | 0.106 | 0.43 | - | - | 6.6 | 弱酸性 |
熊野古道水 |
10 | 0.52 | 0.06 | 0.26 | 0.86 | - | - | 7.1 | 弱アルカリ性 |
ピュアウォーター |
2.0 | 0.45 | 0 | 0.05 | 0 | - | - | - | - |
い・ろ・は・す |
不明 | 1.14 | 0.76 | 0.5 | 0.49 | - | - | 採水地による | - |
硬度
硬度とはミネラルウォーターに、マグネシウム、カルシウムなどのミネラルがどれだけ含まれているか(mg/L)の基準です。計算式は次の通り。硬度=(カルシウム量mg/l×2.5)+(マグネシウム量mg/l×4)
※マグネシウム量×4.1の場合もあるようです。
硬度が1~100mg/Lの水は軟水、100~300mg/Lの水を中硬水、300mg/L~のお水が硬水と呼ばれています。
硬度が一番高いお水はクールマイヨール!ダントツですね。
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ナトリウム(Na)/ Sodium
ナトリウムは英語でSodium(ソディウム), イタリア語でSodioなどとも呼ばれています。ナトリウムは細胞と細胞間媒体の水分の交換をし、体内の水分量を調整しています。また筋肉を動かすためにも重要な役割をします。
ナトリウム(Na)は塩素(Cl)と結合して食塩(NaCl)となるため、多くの人は普段の食べ物から十分に摂取できており、逆に過剰摂取にならないよう気をつけなければいけません。 ミネラルウォーターによっては「Very Low Sodium」などと書かれており、ナトリウム(Sodium)が少ししか含まれていないことをセールスポイントにしている銘柄もあります。ナトリウムを過剰摂取すると、腎障害、高血圧、胃がん、動脈硬化の原因になると言われており注意が必要です。ただし、運動や入浴によって、汗として塩分が体外に流れ出てしまった場合は、ミネラルウォーターなどにより適度な補給が必要です。
ナトリウムが一番の多く含まれているお水はヴィッチーカタランで、味も少し塩気を感じます。
【成人の1日の摂取量基準】 食塩相当量
男性:9g未満
女性:7.5g未満
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カルシウム(Ca)
体内のカルシウムは99%が骨と歯の形成、1%が血液などの形成をしています。 骨は少しずつ破壊と形成を繰り返しているので、常にカルシウムの補給が必要です。特に、成長期や妊娠・授乳期にはカルシウムが不足しがちなので、気を付けて摂取する必要があります。 常にカルシウム不足の状態が続き、破壊が形成を上回ると骨粗しょう症になる恐れがあります。一方摂取のし過ぎ尿道結石などのリスクが増えます。日本人のカルシウム摂取量は長年必要な量に達していないそうです。適正な摂取量を知り、毎日摂取することが大事です。カルシウムが一番多く含まれているお水はクールマイヨールですね。モデルさん・女優さんが愛飲するのも納得です。
【成人の1日の摂取量基準】
男性: 650-800mg (上限:2,300mg)
女性: 650mg (上限:2,300mg)
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マグネシウム(Mg)
マグネシウムはカルシウムとともに骨や歯の形成に必要な栄養素です。体内のマグネシウムの50-60%は骨に含まれていて、不足すると骨から遊離して、神経の興奮の制御や、エネルギー生成の補助などの役割を果たします。 マグネシウムが不足するとカルシウム同様に骨粗しょう症や糖尿病などの生活習慣病の可能性が高まると言われています。 摂取しすぎると下痢になる場合があるので適量を摂るようにしましょう。マグネシウムが一番多く含まれているお水はゲロルシュタイナーですね。日本でも人気のお水です。
【成人の1日の摂取量基準】
男性: 340-370mg
女性: 270-290mg
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カリウム(K)
カリウムは体内の細胞内液に存在し、細胞外液に含まれるナトリウムとバランスを取りながら、細胞の状態を正常に保ったり、血圧を調整したりしています。ナトリウムを摂取すると血圧が上がり、カリウムの摂取により血圧を下げることが分かっています。カリウムの過剰摂取により普段の生活への害は無いが、腎機能が低下している場合は摂取量に制限があるのでお医者さんに相談して下さい。【成人の1日の摂取量基準】
男性: 2,500mg (上限:2,800-2,900mg)
女性: 2,000mg (上限:2,700-2,800mg)
カリウムが一番多く含まれているお水は
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リン(P)
リンはカルシウムの次に体内に多いミネラルで、85%はカルシウムやマグネシウムとともに骨の形成に使われています。残りの15%は筋肉、脳、神経などに運ばれ、エネルギー生成時の必須要素です。リンは食品添加物や加工品に多く含まれているため現代人は不足している事はほとんどありません。カルシウムの摂取量が少なく、リンの摂取量が多い場合に骨密度や骨量が下がると言われています。リンはどのお水もわずかにしか含まれていません。
【成人の1日の摂取量基準】
男性: 1,000mg (上限:3,000mg)
女性: 900mg (上限:3,000mg)
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サルフェート(SO42-)
サルフェートは硫酸塩のことで、硫酸イオンとがナトリウムやカルシウムなどのミネラルと結合してできた無機化合物の総称です。温泉水やヨーロッパの地層、にがりなどに含まれます。サルフェートは利尿作用を高め、体内の老廃物を排出させる効果があるため、美容効果も高いと言われています。サルフェートが一番多く含まれているお水はクールマイヨール!さすが硬度ナンバーワンのお水です。
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重炭酸塩(HCO3-)
重炭酸塩は重炭酸ナトリウム、または重炭酸ソーダを意味し、一般的には重曹と呼ばれています。胃酸過多や胸やけの症状を抑える効果があります。
重炭酸塩が一番多く含まれているお水はゲロルシュタイナーですね。食べ過ぎて気持ち悪い時などに効くかも!?
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シリカ
シリカとは二酸化ケイ素(SiO2)で構成される物質の総称で、体内にも含まれています。免疫力への影響、肌の保湿、骨や髪、爪、コラーゲンの再生・構築・補強・維持を手助けしています。体内では生成できないので、海藻やミネラルウォーターから摂取します。美容に大事な働きをしていますね。
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Ph値
Phは0~14までの数値で表され、Ph値が少なければ酸性、多ければアルカリ性、中間のPh値:7が中性です。 人間の体は健康な人だとPh値が7.4の弱アルカリ性なので、アルカリ性の水は相性がよく、成分を吸収しやすいと言われています。
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▼出典・参考文献
グリコ 栄養成分百科
http://www.glico.co.jp/navi/dic/index.htm
「重曹」ってなんですか?
http://allabout.co.jp/gm/gc/372538/2/
※1 日本人の食事摂取基準について
- 日本人の食事摂取基準は、健康な個人または集団を対象として、国民の健康の維持・増進、生活習慣病の予防を目的とし、エネルギー及び各栄養素の摂取量の基準を示す
ものである - 保健所、保健センター、民間健康増進施設等において、生活習慣病予防のために実施される栄養指導、学校や事業所等の給食管理にあたって、最も基礎となる科学的データである。
詳細は以下をご覧ください。かなり詳しい情報が載っています。
厚生労働省のページ
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/05/h0529-1.html